「ランクルが盗難車両の中で1位ってよく聞くけれど、実際年間何台盗まれているのだろう?」
「ランクルのどの型式が1番盗まれているのだろう?」
などと、気になっている方も多いのではないでしょうか?また大切な愛車「ランクル」を盗まれないために「車両保険も必要なのかな?」と色々調べている方もいらっしゃるかと思います。
本記事では、そんな気になるランクルの「盗難台数」や「盗まれた型式」、そして2019〜2021年度の「日本損害保険協会」の調査による車両盗難の最近の傾向についても合わせて紹介していきます。
ランクルが車両盗難No.1は事実!しかし盗まれた型式は曖昧?
出典:「第23回 自動車盗難事故実態調査」(調査期間 :2019年1月1日~2021年12月31日)
「日本損害保険協会」の調査により、ランクルが2021年度に盗難件数が1位になったことが明らかとなりました。
しかしその詳細を「ランドクルーザー.jp」で独自に調査してみたところ、盗まれた型式については曖昧で、総合的に結論を出すと「ランクル盗難件数は意外と少ない」という事実がみえてきました。
ランクルは2021年に「盗難件数No.1」へ
ランクルの盗難に関して、日本損害保険協会の「自動車盗難事故実態調査」を参考に見ていくと、噂通りランクルが盗難車両No.1だということが判明しました。
- 2019年 車両本体盗難3,800件中、426件(構成比 11.2%)
【ランキング2位】
- 2020年 車両本体盗難2,964件中、275件(構成比 9.3%)
【ランキング2位】
- 2021年 車両本体盗難2,425件中、331件(構成比 13.6%)
【ランキング1位】
2019・2020年時点では「プリウス」が盗難件数のランキング1位でしたが、2021年には「ランクル」が「プリウス」の盗難件数を上回り、ランキング1位になっています。
ですが年間1位の盗難件数が「331件」という数字は、個人的には「意外に少ない」という印象でもあります。
「(注)プラドを含む」に注目すると…
また、注目すべきは「(注)1.ランドクルーザーには、プラドを含む。」という注釈です。2021年1〜6月のランドクルーザー販売台数は、1万6194台です。
販売比率を詳しく調査すると、「ランドクルーザープラド」が93に対し、「ランドクルーザー200」 が7とのこと。
一概にこの比率を当てはめることはできないでしょうが、概ね『ランクルプラド9:ランクル1』と考えられ、これに2021年の盗難件数「331件」を当てはめると…
ランクルプラド297台:ランクル33台
という比率になります。
2021年のランドクルーザーの盗難件数「331件」が意外と少ない印象でしたが、ランクルの盗難件数が年間33台となるとさらに少なく感じます。
「自動車盗難事故実態調査」は、「全国で発生した自動車の車両本体盗難事故および車上ねらい(部品盗難含む)事故で、 調査期間内に自動車盗難事故が発生し、保険金の支払いを行った事案を調査しています。」とのことなので、実際の件数はこれよりかは多いと予想されます。
【問い合わせしてみました!】「実際どの型式が多い?」
実際に、日本損害保険協会の方へ「どの型式に盗難が多いか」について問い合わせをしてみました。しかしながら、型式による調査は行っていないとのことで、詳細は不明でした。
近年の車両盗難の実態は?|じつは盗難件数自体は減少傾向に
出典:「第23回 自動車盗難事故実態調査」(調査期間 :2019年1月1日~2021年12月31日)
2019~2021年度の「車両本体盗難」「車上ねらい」の件数は、以下の通りです。
- 2019年 車両本体盗難:3,800件、車上ねらい:1,856件
- 2020年 車両本体盗難:2,964件、車上ねらい:1,254件
- 2021年 車両本体盗難:2,425件、車上ねらい:931件
じつは「車両本体盗難」「車上ねらい」の件数は、どちらも年々20%以上減少しています。
ただし件数自体は減少していますが、盗難の保険金支払額が少しずつ上昇しているのも気になるところです。これは、車の価格が上がっていることが影響していると予想されます。
盗難多発都道府県は「大阪」「愛知」などが上位を占める
出典:「第23回 自動車盗難事故実態調査」(調査期間 :2019年1月1日~2021年12月31日)
上位には「大阪」「愛知」、そして「茨城」「千葉」「埼玉」「神奈川」などが例年ランクインしています。その構成比はトップ5で、なんと60%以上です。
その理由は一体何なのでしょうか?
海が近いから海外への輸送が容易なのか…もしくは窃盗組織がその周辺に集中しているということでしょうか。
また意外と2019・2020年ともに「東京」はランクインしておらず、「栃木」「岐阜」が毎年ランクインの常連であることも気になるところです。車両の盗難は本州に集中しており、北海道・東北・四国・九州はトップ10に入っていないのが現状です。
被害車両の年式は?
出典:「第23回 自動車盗難事故実態調査」(調査期間 :2019年1月1日~2021年12月31日)
2021年式から過去10年の盗難台数1302台、2011年式以前の盗難台数1123台、ということからどの年式でも一定の盗難があることがわかります。
ただしデータでは年式による盗難数の差はあまりないですが、ランクルならやはり高年式ランドクルーザーの車両の方が盗難のリスクは高いでしょう。
【結論】ランクルが盗難に遭う確率は低い!しかし環境によっては…
トヨタによると、2021年のランドクルーザーシリーズの年間登録台数は3万2530台。内訳は新型ランドクルーザーが1540台(約5%)、ランドクルーザープラドが3万990台(約95%)です。
2020年は2万6296台、2019年には2万8475台、2018年は2万9416台、2017年は2万2576台と、波がなく安定しています。
ランドクルーザーは発売から70年がたつロングセラー商品です。年間の販売台数を加味して、現在国内で登録しているものでは40万台以上はあるのではないでしょうか。
盗難件数を多く見積もって1000台とした場合、盗難率0.25%(400台に1台)と考えるととても少なく感じます。
結論として、全体の平均値で見るとランクルが盗難にあう確率は低いといえます。ただ、地域・駐車場所・盗難対策でも差が出ます。自身の環境により盗難のリスクは高まるため、注意は必要です。
【車両保険はどうする?】盗難数が少ないとはいえ…入っておいた方がいい?
ランクルの盗難対策のためには、車両保険には入れるなら入った方が安心です。しかし車両保険に入るには、当然ながら費用がかかります。そのため、一概に全員が入る必要はないです。
重要なのは自分の地域、環境により盗難のリスクに合わせて選択することです。また、盗難されにくいように環境対策をしておくことも大切です。車両保険については、購入時から年々車両保証も下がっていき、長く保険に入り続けることもできないと思います。
たとえば最初だけ入っておいて、長い目で見て、少しコストをかけて盗難対策をすればいいのでは?とも思っています。もちろん盗難されない工夫も大事ですので、盗難対策に関してはまたまとめて記事を書いてみます。
まとめ
今回の検討に使用した「自動車盗難事故実態調査」は保険金の支払いを行った事案です。車両保険に入っていない車両は調査対象外なので、実際の件数はもっと多いでしょう。
盗難があるかぎり、いつかは被害にあう可能性があります。お金以上に愛車を失うというショックはつらいです。
全体の平均値で見ると盗難にあう確率は低いといえますが、実際に盗難が起きていることも事実です。自身の環境により盗難のリスクは高まります。愛車を守る盗難対策をしましょう。