ランクルやプラドの盗難が相次ぐなか、「どんな盗難対策をすればいいのだろう」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?近年、ランクルの盗難手口として増加している「CANインベーダー」にも警戒していることかと思います。
そこで本記事ではランクルやプラドの盗難対策で、現時点で最強だと思われるカーセキュリティについてご紹介します。
ランクルの盗難対策を強化したい方はぜひ本記事を参考にしていただき、近年増加傾向の「CANインベーダー」から愛車を守っていきましょう!
ランクルやプラドの盗難手口「CANインベーダー」による犯行が増加
窃盗グループによるランクルやプラドの盗難手口は、数年前から主流だった「リレーアタック」から「CANインベーダー」による手口に切り替えたとみられ、近年増加しています。
CANインベーダーとは、特殊な小型機器を用いて外部から車内の配線に接続し、車の制御システムに侵入することで「解錠」や「エンジン始動」をする盗難手口です。
具体的には左前方のバンパーを外して内部の配線を出し、モバイルバッテリー型の特殊機器とつなぐことで車の制御システムに侵入するのですが、およそ10分程度で簡単に盗まれてしまいます。
メーカー純正盗難防止対策だけでは不安?
出典:トヨタHP
ランクルの盗難対策に関心がある人ならご存知の方も多いかと思いますが、仮に自動車メーカーによる最新セキュリティが標準装備されていても、じつは安全とは言い切れないのです。
もちろん自動車純正のセキュリティなら自動車メーカーの厳しいテストをクリアしているので、品質は間違いありません。
しかしながら純正のセキュリティでは、同じ車種であれば1度窃盗グループにセキュリティの解析をされてしまえば、あとはみな同じ手口でいとも簡単に盗まれてしまいます。つまりランクルの「盗難対策」という意味では、純正のセキュリティだけでは不安が残ります。
ランクル最新!純正盗難防止対策「指紋認証スタートスイッチ」の実力は?
出典:トヨタHP
たとえば4年待ちの長納期と噂される人気の高い「ランクル300」では、最新の「指紋認証スタートスイッチ」が標準装備されています。
「指紋認証」はスマホでもお馴染みの、予め登録された指紋によってロック解除できるというセキュリティシステム。スタートスイッチの中央に指紋認証を搭載しており、スマートキーを携帯しブレーキを踏みながら指紋センサーにタッチすると指紋の照合を行います。
ランクル盗難防止の新しいセキュリティシステムとして有望にも思えますが、このシステムには登録した指紋でなくともエンジンを始動できる「整備モード」でエンジン始動方法があります。
なぜ「整備モード」があるのかというと、たとえばカーディーラー等に車を預けた際にオーナーやその家族しかエンジンがかけられないとなると困ってしまいますよね?
つまりこの理屈を窃盗グループが解析してしまえば、突破は難しいとはいえず、しかもすでにランクル300は盗難情報が出ています。
また「指紋の認識が悪くてなかなかエンジンを始動できない」と言われる方もおり、始動に時間がかかるためそもそもこの機能を使わない方もいらっしゃるかもしれません。
ランクルの純正盗難対策は最新でももって数年…いくら対策してもイタチごっこの現状
出典:トヨタHP
先程のランクル300の例でご紹介したように、いくら最新のセキュリティシステムでも、一度窃盗グループに車両を解析されてしまえば、あとは一網打尽。
つまり、ランクルの純正盗難対策は最新でももって数年ということです。いくら対策してもイタチごっこの現状であることは変わりありません。
とくに純正セキュリティに関しては型が決まっているため、窃盗グループからすると解析しやすく、盗みやすい車両といえるでしょう。
そのため純正セキュリティだけには頼らず、『盗むのに時間がかかる』と思わせる二重三重の対策が必要です。
ランクルやプラドの盗難対策で最強なのは…『盗むのに時間がかかる』と思わせる二重三重の対策!
次々と新しいランクルの盗難手口が出てくる現状。残念ながら、ランクルの盗難対策で絶対というものはないでしょう。
しかし少しでもランクルが盗難しにくくなるように、対策することはできます。あらゆるセキュリティを装備していて盗難に相当な時間がかかるとなれば、窃盗グループにとってもリスキーです。
つまりランクルを盗むのに時間がかかると思わせる、以下のような盗難対策を二重三重に組み合わせることが現時点では最強の対策といえるでしょう。
- 純正以外のカーセキュリティ
- ハンドルロックやタイヤロック
- 駐車場の対策
- 車載GPS装置
- スマートキーを電波遮断ケースに収納して保管
- 車両の左側を壁際にする
純正以外のカーセキュリティ
先述したように、純正のセキュリティはいくら最新のものであっても、販売から半年も経過していれば、すでに窃盗グループに解析されている可能性が高いです。そのため「純正以外」のカーセキュリティを装備するのがおすすめです。
というのも「純正以外」のセキュリティは、まだ窃盗グループに解析されていない可能性が高いからです。もちろんだからといって「絶対に盗まれない」という保証はありません。
ですがもし窃盗グループが解析していないセキュリティであれば、セキュリティを解除するのに時間がかかり、盗みにくいと思わせることができます。
ハンドルロックやタイヤロック
ランクルの盗難防止対策として、ハンドルロックやタイヤロックで物理的にロックをするセキュリティも効果的です。
もちろん車体の大きいランクルは勢いよく走るとタイヤロックが壊れたり、ハンドルロックは窃盗グループに専用のハサミで簡単にカットされたりすることもあり、これだけのセキュリティではすぐに突破されるでしょう。
ですが、先程もお話したように何重にもセキュリティがあると『盗むのに時間がかかる』と思わせることができます。この方法は、2022年度すでに昨年の約1.7倍超のランクルやレクサスなどの盗難事件が起こっている、埼玉県警でも推奨している方法です。
ロックしたり外したりと面倒ではありますが、このひと手間が窃盗グループの標的から外れるきっかけになるかもしれません。つまりこれは窃盗グループへ「盗みにくい車」だと、アピールするひとつの手でもあります。
駐車場の対策
こちらも埼玉県警が推奨しているランクルの盗難対策なのですが、駐車場にも対策を行うことが有効です。
たとえば、
・防犯カメラやセンサーライトの設置
・金属製ポールや門扉の設置
などが効果的です。
ランクルは自宅の駐車場でも多くの車両が盗まれているため、車両自体のセキュリティだけではなく、車を置いておく駐車場の環境やセキュリティも強化しておきましょう。
車載GPS装置
車載GPS装置は主に、盗難に遭ってからのセキュリティになるかと思いますが、ランクルにGPSを装備しておくことで盗難後に愛車が見つかる可能性があります。
というのも、窃盗グループはランクルの車両にGPSが搭載されているかいなかを、しばらく駐車場等に停めてから様子をみます。そのためヤードでランクルが解体される前に、いずれかの場所で盗難車が見つかるかもしれません。
ただし純正のGPSであれば窃盗グループに解析されているため、無効化されることもあります。そのためこちらも、純正以外のものをつけるのがおすすめです。
さらにGPSとは異なりますが、異常を察知したら「警音」や「光」で窃盗グループを威嚇するような「リモコン付きのセキュリティ」もあります。もちろん単体ではすぐにセキュリティを解除される可能性もありますが、複数のセキュリティのひとつであれば窃盗グループにとって脅威となるでしょう。
スマートキーを電波遮断ケースに収納して保管する
リレーアタック対策のために、スマートキーを電波遮断ケースに収納して保管しておきましょう。近年ランクルの盗難手口は「CANインベーダー」に切り替わってきていますが、引き続き「リレーアタック」の対策もしておきましょう。
リレーアタックとは
車の電子キーの電波を中継して鍵を開ける盗難手口。数年前までランクルの盗難手口として主流でしたが、対策が浸透してきたため、窃盗グループは「CANインベーダー」に手口を切り替えたとみられています。
車両の左側を壁際にするなどして人が入り込めないようにする
ランクルの盗難手口として主流の「CANインベーダー」は、左前方のバンパーを外して内部に侵入します。そのため、車両の左側を壁際スレスレにして、人が入り込めないようにするのもひとつの盗難対策になります。
とくに、駐車場に金属製ポールや門扉の設置ができない場合は、少しでも盗まれにくくするためにこの対策を行っておきましょう。
まとめ
出典:トヨタHP
ランクルやプラドの盗難対策で最強だといえるのは、現時点では『盗むのに時間がかかる』と思わせる二重三重の対策です。つまり数十万円かかるような高級なセキュリティをつけていても、残念ながら盗まれるときはいとも簡単に盗まれてしまうのです。
しかし窃盗グループもリスクを犯してランクルを盗難しています。同じ型式でも、複数のセキュリティ搭載の『盗みにくいランクル』と、純正セキュリティのみの『盗みやすいランクル』があれば、どちらを狙うかは一目瞭然ですよね?
そのためできる限り、「面倒だな」「リスクが高そうだな」と思わせるようなさまざまなセキュリティを装備し、大切な愛車を守りましょう。とはいえ、引き続きトヨタのセキュリティ面の進化には期待したいと願うばかりです。
次回は、ランクルの盗難保険について詳しくご紹介していきます。